精神科での看護師の役割

デイナイトケアに携わるにあたって、精神科のことをよく知っておく必要があるでしょう。現在、日本ではストレス社会を反映して、うつ病や統合失調症など、心の病を患う人が増えています。心の病を治療するのが精神科ですが、ここでも多くの看護師が働いています。厚生労働省の統計によると、精神科で働く看護師の数は平成11年(1999年)は36,244人でしたが、平成26年(2014年)には53,096人になっています。精神疾患の患者数は入院患者数は横ばいながら、総患者数は平成11年(1999年)の204.1万人から平成26年(2014年)には392.4万人と50%以上増加しています。

精神科の入院病棟の場合、概して重症者が多いので、看護師の役割も多様です。患者とのコミュニケーションを通じて、メンタル面のケアを行う、服薬を目の前で行ってもらう与薬から患者の行動を観察して、異常な言動があれが医師に報告するアセスメントまで、多くの事がらに対応する必要があります。また、夜勤の場合は患者の自傷他害行為に注意する必要があります。病状が安定していない患者の場合、やむを得ず、身体を拘束しなければならないこともあり、危険が伴う場合もあります。病院によっては危険手当を支給するケースもあります。

また、看護師としてのキャリアパスを考えた場合、精神科勤務が長くなると、医療行為に携わる機会が限られてくるので、内科や整形外科の看護師に再度挑戦しにくくなる面は否めません。ただし、精神科でしか学べない特有の知識やスキルもあり、マイナス面ばかりとは一概に言えません。コミュニケーション能力に長けていて、精神科の専門知識を深めたい方にはやりがいのある仕事です。